現代の社会・ビジネスは、非常に複雑になっています。また、それに合わせて、社会人の育成においても、非常にたくさんの観点や方法論が提案されています。
しかし、そのほとんどが、部分的な育成方法であったり、枠組みのみの提案であったりするため、どの能力をどのように育成すれば、効率よく育成できるのかが明確でないというのが現状ではないでしょうか? そのような現状を踏まえ、未来教育推進機構では、社会人育成の体系と教育手法を「5つの基礎力」としてまとめました。
この「5つの基礎力」は、従来の教育プランとは異なり、「どのような能力が必要か?」というだけでなく、それらの社会人に必要な能力がどのように影響しあい、習得されていくのかといった成長プロセスにそって、組み立てた教育体系です。
そのため、必要な段階で必要な能力を習得することができ、効率よく一人前の社会人を育成することができます。
ビジネスとICT
いまや、あらゆるビジネスにおいて、パソコンやインターネット、モバイルが活用されており、仕事をする上で不可欠なツールとなっています。
このような、社会情勢を踏まえ、5つの基礎力ではICTの活用を通して、仕事力を身につけさせる教育方法を採用しています。
5つの基礎力では、まず全ての能力の土台となる「基礎力」と情報を効果的に活用する「情報活用力」が中心となります。
さらに、ビジネスの仕組みを理解し、自身のやる気をコントロールすることで、個人の仕事としては、効率よく安定した成果を出せるようになります。
最後に、他者と協力して組織として結果を出すためのコミュニケーションスキルを磨けば、社会人に必要とされる能力の一通り身に着けているといえます。
現代の”読み、書き、そろばん”「基礎力」
全ての土台となる力です。
論理力…物事の仕組みや構造を、論理的に整理して捉える力
数理力…物事を数値的に捉え、考える力
ICT基礎知識…情報そのものや、情報機器に関する基礎的な知識
これら、3つの基礎力は、いわば現代の”読み、書き、そろばん”といえます。
情報を活かす「情報活用力」
情報の収集→分析→整理・保管→表現+運用を行う能力です。
情報活用力は、人間の頭脳への情報のインプットからアウトプットまでの流れに沿っており、あらゆるビジネスに必須の能力です。
情報活用力を身につけているのといないのとでは、仕事の結果が大きく異なります。
仕事の仕組みを理解し、効率的に遂行する「フレームワーク」
基礎力や情報活用力を身につけ、社会人としてのスタートラインにたったら、次にビジネスの仕組みについて、理解する必要があります。
どのような枠組み(フレームワーク)で、ビジネスが動いているのかを理解し、それらのフレームワークにそって、仕事を進めることで、無駄なく効率的な仕事ができるようになります。
目標を定め、行動する「モチベーション」
目の前の仕事に、その結果や将来性を考えながら取り組むための力です。
人間には感情があり、バイオリズムもあるため、パフォーマンスは一定ではありません。
このため、モチベーション維持のスキルも必要なのです。
他人に働きかける力「コミュニケーション」
以上の4つができれば、個人の仕事としての素地は整います。
そのうえで、必要とされるのは、他人に働きかける力です。ビジネスにおいて、個人で完結するものはほとんど存在しません。他者とどう関わっていくか、どう働きかけていくかというコミュニケーションが、ビジネスの成果を左右します。
この「5つの基礎力」の中で、もっとも重要な能力は「情報活用力」です。
どんな仕事も、「情報を集める」ところから始まり、集めた情報の分析、整理・保管を行い、他者に伝えるために表現するというプロセスをたどります。フレームワークやモチベーション・コントロールなど、仕事を効率よく、安定して行う方法は数多くありますが、この情報活用力がしっかりと身についていないと、ただの流れ作業となってしまい、その効果を十分に発揮することはできません。
つまり、情報活用力こそが、社会人に必要とされる、共通能力であり、必須能力なのです。