事務用品メーカー A社様
【受験の背景】
社員の実務能力を把握し、作業効率を上げることが急務
A社は、近年、業種の拡大を行い、注目を浴びている企業のひとつである。しかし、業種拡大によって顧客数が増加する分、業務量も増加、それに対応するために人員も増加させねばならず、人件費・採用費が全体のコストを圧迫していた。
また、業務の大半はPCを用いた仕事であるため、作業能率の個人差が作業全体に与える影響が大きい。しかしながら、作業能率は実際にその業務を行わない限り、分からないため、誰をどこに配属するか判断するのは難しいと担当者は言う。
よって、コストダウンを実現し、配属先のミスマッチを無くすためには、社員の実務能力を把握することが急務であった。
【選択の決め手 〜利用者の声〜】
人材配置・人材育成の判断材料としてRastiを活用
IT関連会社 A社様 人材開発部部長 Y氏
Rastiを導入しようと考えたひとつの要因は、人材配置の参考にしたいと思ったからです。
2006年度以降、やや景気が上向いてきたことで、就職は売り手市場へと変わりつつあります。わが社でも、近年の業種拡大に伴い、新入社員の採用を増やし始めました。しかしながら、人員が増えれば、それだけ配属にかかる手間も増加します。現在の新人研修は、ビジネスマナーなど一通りの研修を経て、いくつかの部署で実務経験をさせ、その後配属先を決定するという流れになっています。実務経験をどこでさせるか、配属先をどこにするかは、我々人材開発部の方で話し合われるわけですが、我々も人間ですので、どうしても主観が影響してしまいます。この人材配置に関して、何らかの形で客観性を持たすことはできないかと常々考えていました。
またもうひとつの要因として、Rastiの人材育成ツールとしての働きに期待したというのもあります。
ここ数年の深刻な問題として、新規採用者の業務能力の低下があげられます。われわれが入社した頃に比べると、ICT機器に関する知識は格段に優れたものがありますが、実際に仕事に取り組む際、特にデータの分析やお客様への提案資料の作成などが、うまくできない者が増えています。
この対策として、3年ほど前から採用決定者への「Eラーニング」を実施し始めました。しかし、今ひとつ効果の実感が持てず、社内からの反対意見も出るようになっていたんです。学生ならば、定期試験など、教育の理解度を測る術もあるのでしょうが、ビジネス社会にテストはありませんし、資格試験を受けさせたところで、仕事ができるかどうかと別なことは、十分理解していますから…。
Rastiの「実務能力を測定する」というキャッチフレーズに惹かれたのはこのためです。わが社で行っている「Eラーニング」にどれほどの効果があるのか、また今後どういった分野に力を注ぐ必要があるのかの判断材料になるのではないかと考えたわけです。
【Rasti導入の効果】
客観性のある人材配置が可能に!
採用決定者にRastiを受験させた後、Eラーニングを行い、最後にもう一度Rastiを受験させ、効果を測定することになった。結果として、Eラーニングを行う前と後では平均して、約40点程度スコアが伸びていたため、Eラーニングには十分効果があることが分かった。しかし、分野によってスコアの伸びにばらつきが見られた。
「法律・モラル」などの「情報共有」分野においては高い伸びを見せていたが、「数値分析」を含む「データ活用」分野においては、期待したほどの伸びが無かった。
またRastiの診断結果を、配属先決定のための判断材料とすることで、個人の主観や面談のみに頼らない決定ができるようになり、迅速な人材配置が可能になった。
集合研修などによって社員間のコミュニケーションを円滑にし、配属先での人間関係を築きやすくするとともに、客観性のある効率的な人材配置によって、離職率の低下などを含め、無駄なコストを少しでも削減できるではないかと予測されている。
【今後の展望】
努力を証明するツールとしてのRasti
A社では、今後、派遣社員も含めた社員全員が6ヶ月に1回程度、定期的にRastiを受験し、人事の参考にすることが決定した。特に入社3年目までの中堅社員に関しては、診断結果によって課題が発見された場合、追加でEラーニングによる研修等を、継続して行うことになった。
また、『ICT基礎知識』『論理力』『数理力』といった、ビジネスの基盤になる能力を効果的に育成できるように、Rasti 準拠のEラーニング「Rasti-Learning」の導入が決定した。
「逆に、『自分はどこどこの部署に行ってみたいから、この分野の能力を伸ばしました』という風に、自分の努力を証明するツールとして使用しても面白いかもしれませんね」とY氏は語る。