京都府 B専門学校様
【受験の背景】
レベルに合わせた授業ができる様に、学生の実力を測る指標がほしい
B専門学校では「情報」教育に関して悩みを抱えていた。B専門学校における「情報」の授業は、「情報基礎」「情報活用」「情報処理」の3分野で構成されており、履修の時期は生徒の希望によって決めることにしていた。しかし、授業についていけない者や、逆に簡単だと不満を言う者も存在し、毎年授業計画の作成が難航しているのである。
また、「情報教育は、ICT機器やネットワークが"生活必需品"となった現代社会に生きるために必要な能力を育てるのが目的で、情報を活用するための知識と能力の育成に重点を置くべきだ」、との声も上がっており、教育体制自体に変化が求められるようになってきていた。
そこでB専門学校ではカリキュラムを見直し、効果的・効率的な情報教育を行うために、生徒の実力や重点を置く分野を測る指標を求めたのである。
【選択の決め手 〜利用者の声〜】
生徒の『ICT利活用力』を把握する指標としてRastiを活用
京都府 B専門学校 「情報活用」担当教員 I氏
情報化が進む現代において、コンピューターや通信ネットワークを使う能力は必要不可欠なものになりました。様々なメディアから膨大な情報が得られる中で、それらを見分け、有効に使いこなすために、ITを活用した『情報活用能力』や、情報社会に参画する際の態度『情報モラル』は、誰もが習得すべきスキルです。
しかし、重要であるがゆえに、生徒に習得させることは容易ではありません。
数年前に高校において「情報」に関する教育が必修科目になり情報教育への関心はいっそう高まりを見せています。
わが校では10年以上、情報教育に取り組んできました。しかし、すべての生徒が同じ土台のもとで勉強するわけではないので、『何を』『どこまで』教えればいいのか、『どれだけ』理解しているのかを判断するのは非常に難しいものだと感じています。
「情報基礎」「情報活用」「情報処理」それぞれにⅠ・Ⅱが存在し、そのどれを履修するかは生徒の希望によって決定しています。ただ、理解度に差が出る可能性があるため、基礎的なことに重点を置かねばならず、十分な情報教育ができているのか疑問に感じていました。一方で、基礎的な内容に重点を置くと、コンピューターを使用することに慣れている生徒にはもの足りない内容になってしまい、積極的な参加を促すことができません。毎年のカリキュラムの作成は、悩みの種でした。
もし、事前に生徒がどのような力を持っているのか、知ることができたらどれほど参考になるかと思っていた所に、Rastiの存在を知り、試してみようという気持ちになりました。ただ、『ICT利活用力』なる力を測るためだけでなく、将来、社会に出たときに、経験するさまざまなことの一端でも知ることができれば、と考えたわけです。
【Rasti導入の効果】
診断結果により履修科目を決定。レベルに合わせた授業カリキュラムに!
これまでB専門学校では、科目選択はすべて生徒の希望のもとで決定していた。今後は、1年次に「情報基礎」を必修とし、履修科目は学校側で決定、2年次以降で「情報活用」「情報処理」の中で自由に選択というカリキュラムに変更した。
履修科目を決定する前にRastiを受験、診断結果によって『Ⅰ・Ⅱ』に振り分けるとともに、生徒の能力診断をもとに、『ICTコアスキル(論理力・数理力・ICTコアスキル)』の弱みによってクラスを3つずつ分けた。
また、各学期末には期末テストのかわりにRastiを受験し、授業の理解度をチェック、カリキュラム作成の参考にすることになった。
I氏によると、Rasti導入後、生徒の意欲の向上が見られるとのことだ。
「Rastiは、これまで実施していたようなテストとは違い、勉強することによって自分の能力がどう変化したのかはっきり分かります。授業の内容をどれだけ覚えているかではなく、授業によってどれだけ成長したかを判断できるので、我々が授業内容を考える上でも非常に助かっています。」
【今後の展望】
生徒のだけでなく、教員の能力把握としてもRastiを活用!
Rastiによって生徒の能力の把握を把握することで、効果的なカリキュラムの作成が可能になった。しかし、Rastiを使用している中で、各科目3クラスの中でも、生徒のICT利活用力の成長に差が出ていることが判明した。そこでB専門学校では、生徒だけでなく情報科目担当教員にもRastiを受験させることが決定した。
生徒だけでなく教員も含め、向上心を忘れず、変化の早いICT分野に対応した情報教育ができるように、学校として努力していくとのことだ。