2018年7月25日
『eg(電気とガス)』3月号の解答
今回は、取引先に対して送信するメールの送信先・件名・本文について、ビジネスメールとして適切かどうかを判断する問題です。
ビジネスを行う上で、電子メールは欠かせない連絡手段となっています。メールの送り方次第で、業務を円滑に進めることができます。ただし、使い方、表現の仕方に注意する必要があります。マナーの基本を押さえ、相手にとって親切で分かりやすい表現となるよう心がけましょう。
最初にビジネスメールを送るときの基本マナーを確認しましょう。
電子メールに指定するそれぞれの項目と、社外に対してメールを送る際の注意点は以下となります。
●送信者(FROM)
メールを送る本人のメールアドレスを指定する。取引先の方が誰から受け取ったか分かるように、組織名および名前をアドレスの前に表記する方が望ましい。
例: 阿部 太郎(株式会社Rasti)〈abe@jo--katu.co.jp〉
●送信先(TO、CC、BCC)
送信先の指定は、以下の3種類がある。複数のメールアドレスを指定することで、同じ内容を一括で複数の人に送信することが可能である。また、FROMと同様に組織名および名前をアドレスの前に表記することができる。取引先に対しては、相手が見ることを考え、"様"などの敬称を付ける方が望ましい。
宛先(TO) | 内容を直接伝えたい相手(主担当者など)を指定する |
CC | 送信者が内容を共有したい相手(上司や同僚、取引先の関係者など)を指定する |
BCC | 他の送信者には送信していることを知らせない相手を指定する。例えば、アドレス情報が互いに漏れてはいけない複数の相手に同時に送信する場合などに利用される。ただし、送信していることが他の送信者に秘密となるので、使い方には注意が必要である。 |
●件名
本文で伝えたい内容を簡潔に表した文章を指定する。
●本文(BODY)
詳細内容を以下の流れでまとめる。
- 冒頭に宛名(会社名、部署名、役職名、氏名(様などの敬称付き))を書く
- 「●●社の○○です。お世話になっております。」等の挨拶文
- 連絡したい内容を、敬語で伝える
- 箇条書きでまとめるなどして相手が理解しやすい表現を工夫する
- 適宜文章と文章の間に空白行を入れる。長い文章の場合、全角30~40文字程度で、意味的に区切りが良い箇所で改行し、レイアウトを調整する。
- 結びの挨拶後に署名(会社名、部署名、氏名、連絡先など)を入れる
ビジネスメールの基本と今回のシーンを踏まえて、各選択肢を確認しましょう。
A.打ち合わせに出席する上司の田中さんはBCCではなく、CCにした方がよい
メール本文に「次回のお打ち合せも上司の田中が同席」という記載があります。つまり、このメールの内容および取引先から返信されるであろうスケジュール調整結果は、上司の田中さんも知る必要があります。また、上司の田中さんのメールアドレスを取引先に秘密にする必要もありません。よって、BCCではなく、CCに指定する方が望ましいため、このアドバイスは適切です。
B. 件名は短く簡潔に「新プロジェクトに関するご連絡」に変更した方がよい
件名は本文の用件を要約できていることが求められます。提示されている「新プロジェクトに関するご連絡」は、スケジュール調整の内容であることが伝わりきらず、適切な変更案とは言えません。よって、このアドバイスは不適切です。
C. 打合せの候補日の部分は、文章ではなく箇条書きで提示した方がよい
候補日の部分は今の文章のままでは読み取りにくく、箇条書きで候補日を並べたほうが分かりやすくなります。また、相手がメールで返信する場合も、該当日時をコピーして文章をまとめることができるため、親切な連絡の仕方になります。よって、このアドバイスは適切です。
D. メールの最後に会社名、部署、氏名、連絡先などの署名を記載した方がよい
メールに署名を入れることはビジネスメールの基本であるだけでなく、今回の場合、取引先の方が必ず返信しなければならない内容になりますので、電話番号や住所などの連絡先を最後に記載している方が望ましいといえます。よって、このアドバイスは適切です。
よって、答えはBとなります。
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