eg(電気とガス)解答

『eg(電気とガス)』11月号の解答

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今回は、各部署の検討項目の根拠となる資料を選択する問題です。資料としてグラフが提示されています。ビジネスの現場では、目的や利用用途に適した情報を選択し、適切な手段で集計、グラフ化して分析することが求められます。今回の問題では、営業部、商品開発部、広報部という、3つの異なる部署の見直しの目的に合う資料を選ぶことを求められています。

 


まず、選択肢に提示されているそれぞれの資料を確認しましょう。

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グラフA.png

この資料は、『らす亭』が焼き菓子を購入した顧客に対して行った満足度調査の結果を表したものです。100%積み上げ横棒グラフを用い、年代ごとに4段階評価の回答比率(%)を示しています。質問内容は「らす亭の焼き菓子をまた購入したいですか?」ですので、年代別の商品購入希望度の割合を知ることができます。このグラフから、20代、30代について、「購入したい」と考える人が半数以上いる一方、50代で「購入したくない」と考える人の割合が多いことが読み取れます。

 

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グラフB.png

この資料は、『らす亭』が販売している商品の返品について、理由別に返品件数を表したものです。返品理由には、商品の成分や、味、見た目への不満、製造工程の不備に関する項目が示されています。このグラフより、件数が多い含量成分や味について、特に検討が必要であることがわかります。

 

 

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グラフC.png

この資料は、『らす亭』の全国各地域への商品発送件数を示したものです。『らす亭』は製菓メーカーですので、この発送数から、「『らす亭』商品を取り扱う法人(販売店やスーパーなど)が多いのはどの地域なのか」ということの目安を知ることができます。このグラフからは、多くの地域で1000件を超える発送数がある中で、中部地区の発送件数が少ないことが読み取れます。

 

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グラフD.png

この資料は、『らす亭』が商品の販売対象となる顧客に対して行ったアンケート結果です。顧客が焼き菓子を購入するときに参考にする広告媒体を示した円グラフであり、効果的な広告媒体を見極めるのに有効な情報です。このグラフからは、テレビ・CMが最も多く、全体の約3分の1を占める一方、広告ではない口コミ情報を参考にしている顧客の割合も多いことが読み取れます。

 

 

 

これらのグラフで読み取ることのできる内容と、各部署の見直しの目的とを照らし合わせてみましょう。

 

○営業部

『らす亭』は製菓メーカーですので、営業部は、菓子を卸す地域の販売店やその本社・事業所などの法人に対して営業活動をする部署と考えることができます。今回は、営業重点項目の見直しを揚げていますので、重点取引先や重点地域を洗い出し、販売強化を行うために有効な資料を選択する必要があります。


今回の選択肢では資料アとウが含まれています。

・資料ア:  重点的に販売を強化する年代を洗い出し、販売強化策を考える時に有効な情報

・資料ウ:  重点的に法人営業を強化する地域を洗い出し、営業重点地域を考える時に有効な情報


今回の場合、製菓メーカーの営業部という条件から考えると、商品の購入者の年代を検討できる資料アよりも、商品を卸す地域を検討できる資料ウの方がより適切です

 

○商品開発部

 商品開発部は、焼き菓子などの商品の開発を行う部署です。今回は、原材料の再検討を揚げていますので、商品を製造する立場の視点で、商品に用いる原材料を考える必要があります。


今回の選択肢では資料イとエが含まれています。

・資料イ:  商品が返品に至った不良要因を特定し、原材料を見直すために有効な情報

・資料エ:  顧客がどのような広告媒体を参考にして、商品を購入しているかを把握するために有効

        な情報


今回の場合、資料イのみ原材料の観点で分析しているので、資料イが適切です。

 

○広報部

 広報部は、利用した広告の効果を分析し、より有効な手段を選んで顧客に向けて広報する部署です。今回は、広告媒体の見直しを揚げていますので、販売アクションに結びついている広告の種類や内容を把握する必要があります。


今回の選択肢ではすべての資料が含まれています。

・資料ア:  重点的に広報を強化すべき年代を洗い出し、効果的な広告を打つ時に有効な情報

・資料イ:  商品が返品に至った不良要因を特定し、原材料を見直すために有効な情報

・資料ウ:  重点的に法人営業を強化する地域を洗い出し、営業重点地域を考える時に有効な情報

・資料エ:  顧客がどのような広告媒体を参考にして、商品を購入しているかを把握するために有効

        な情報


資料イは広報とは直接関係のない情報です。また、資料ウは商品を販売する顧客に関係した分析資料ではないため、必要のない情報です。

資料アとエが広報部の業務に必要な情報ですが、今回の「広告媒体の見直し」という目的に直接関係する、資料エが適切です。

 


 

以上から、適切な組み合わせの選択肢は、営業部:ウ、商品開発部:イ、広報部:エとなります。

よって、答えはBとなります。

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